スイッチング電源自動検査システムの選び方

スイッチング電源自動検査システムとは

ひとことで言うと・・・

スイッチング電源の電気的特性検査を自動化し、検査結果を保存できる装置

電気的特性検査とは

  日本ではJEITA(電子情報技術産業協会)でスイッチング電源試験に関する規格書を刊行しており、基本はこの企画書がベースとなっています。

  JEITA規格

    RC-9131D: スイッチング電源試験方法(AC-DC)

    RC-9141B: スイッチング電源試験方法(DC-DC)

検査結果を保存とは・・・

自動検査をPASSして出荷された製品は、不具合等が発生したときにトレースして出荷検査時のデータを参照できることが求められます。このため、自動検査実行時に測定されたデータは検索可能な状態で保存することが必要となります。

合わせて読みたい

JEITA規格(JEITAのサイトが開きます)

※Webからの規格閲覧は無料(印刷物は有料)です。RC-9131を検索してみてください。

必要な機能

 スイッチング電源自動検査システムに必要とされる主な機能には以下のようなものがあります。

機能概要
入力特性検査スイッチング電源の入力電流・電力・力率、突入電流、効率など
出力特性検査出力電圧安定度(入力電圧変動・負荷電流変動)、リップルノイズ
各種保護機能検査OCP(過電流保護)、OVP(過電圧保護機能)など
リモート機能検査PS-ONなどを検査システムからON/OFFする
シーケンス検査起動・停止時間、立ち上がり・立ち下がり時間
判定機能測定結果の規格判定(PASS/FAIL)
データ保存機能測定及び判定結果を(ハードディスク等に)保存する
データ検索機能保存されたデータから必要な情報を抽出する

選択のポイント

 スイッチング電源自動検査システムは単品製品と異なり、ソフトウエア(自動検査ソフトウエア)が含まれるためソフトウエアの使い勝手等も含めて判断することが重要です。

スイッチング電源自動検査システム選択のポイント
ハードウエア(機器)交流電源や電子負荷などの汎用品もしくは、自動検査用途に特化された製品もあります。
検査速度出荷検査に使用する場合、最も重視されるポイントかも知れません。検査速度は検査プログラムの作り方によっても左右されますので注意が必要です。
検査プログラム検査プログラムの作成にかかる期間(時間)も無視できません。また、作成した検査プログラムで取得された測定データの妥当性検証にかかる時間も考慮する必要があります。
インターフェースPCと各機器を接続するインターフェースです。スイッチング電源の自動検査では動画などのような大量データを転送することは有りませんので計測用途で実績のあるGP-IB(IEEE488)で問題ありません。
PC(OS)OSのバージョンアップはつきものですが、PCの機種はそのままでOSのみバージョンアップすると実行速度が遅くなる可能性がありますので、OSのバージョンアップは慎重に行うことが重要です。

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