100kWを超える燃料電池フルスタックシステムの厳しいノイズ環境下で安定したインピーダンス測定を実現!最大1000V 1000A 250kW
FCスタックの開発評価では、スタックの状態変化を把握するために内部インピーダンスのモニタが欠かせません。これに対して、 ⾼電圧・⼤電流を扱うFCフルスタックベンチは厳しいノイズ環境のため、インピーダンス測定で微小信号を正確に測定することが非常に困難でした。
「FCスタック インピーダンス計測システム」は、耐ノイズ性に優れた計測フロントエンドと信号処理技術により、厳しいノイズ環境下で⾼精度で安定したインピーダンス測定を実現しました。
特長
高精度
耐ノイズ性を確保
フロントエンドと信号処理で、高電圧、大電流を扱うノイズ環境の厳しいFCフルスタックベンチで高精度で安定した測定を実現
高電圧、大電流対応
測定レンジ最大1000V*, 1000A
高電圧、大容量化が進むFCフルスタックに対応
* : 1000V入力はスタック測定Chのみ
多チャンネル・同時測定
最大14ch同時測定
スタックと同時にセルのインピーダンスを同時に測定することでスタック内の状態の違いを把握することが可能
最大250kWの回生負荷に対応
50kW毎の容量拡張
負荷容量50kW~250kW、350V/750V/1500Vの3つ電圧から選択可能
周波数スイープ測定と
固定周波測定機能をサポート
周波数スイープによるCole-Coleプロットの他に、FCスタックの状態モニタ用に固定周波数のインピーダンスを連続測定するモードをご用意
柔軟性
カスタマイズ対応
ソフトウェアのカスタマイズで各種FCスタックベンチに柔軟に対応
動作原理
重畳電流(AC分)と直流電流(DC分)をそれぞれ分けることで、減衰することなく重畳電流の掃引と回生化ができ、環境にやさしい正確なインピーダンス測定が可能です。
燃料電池交流インピーダンス測定
交流インピーダンス法は、発電状態の燃料電池のDC負荷電流に微小の交流電流を重畳させ、その時の電流、電圧波形に含まれる交流成分(振幅、位相)を演算処理で求め、インピーダンス値に換算します。
「FCスタックインピーダンス計測システム」は、交流重畳電流の周波数をスイープさせてCole-Coleプロットを表示する「周波数スイープモード」とユーザ指定の固定周波数で繰り返し測定した結果をトレンドグラフで表示する「固定周波数モード」を用意しました。Cole-ColeプロットでFCスタック全体の状態を把握し、 着目する周波数のインピーダンスの変化を「固定周波数モード」でトレンドグラフに表示させことでFCスタック内部の状態をモニタすることができます。例えば、電解質膜抵抗(Rm)に対応した周波数(例えば1kHzなど)を「固定周波数モード」で測定することで、FCスタックの運転状態を変えた時の電解質膜抵抗の変化を把握することができます。
交流電流重畳用電子負荷
「FCスタック インピーダンス計測システム」に採用している交流重畳用電子負荷(Load station series)は、周波数特性が100kHzと高周波帯域までカバーしており、より正確にインピーダンス測定を実施することが可能です。
DC負荷電流用回生型直流電子負荷
「FCスタック インピーダンス計測システム」に採用している回生型直流電子負荷(Ene-phant series)は、50kWから250kWの大容量に対応しております。トランス絶縁方式を採用しており電力系統ノイズの影響を受けず、正確なインピーダンス測定を実施することが可能です。また回生電力ノイズはClassAに準拠しています。 回生電力ノイズにより他のデバイスに影響を与えないように設計されています。
90% 以上の回生効率
90% 以上(定格負荷時) と高効率を実現。
さらに定格電力の15% 以上であれば80% 以上の回生効率を実現。
回生電力ノイズ CISPR のClassA に準拠
トランスを用いた電気絶縁を採用
価格
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システム外観例
仕様
FCスタックインピーダンス測定システム基本仕様
区分 | 項目 | 内容 | 備考 |
---|---|---|---|
スタック高電圧 信号入力 | ch数 | 1ch | |
入力レンジ | 200mV~2000V | 最大入力1000VDCVまたは1414Vpeak(1kHz以下) | |
同期入力電圧 | 最大800V | *1) | |
セル電圧定電圧用+セル電圧信号入力 | ch数 | 最大13ch | |
入力レンジ | 10mV~200V | 最大入力140V(DC+AC Peak) | |
同期入力電圧 | 最大電圧400V | *1) | |
電流 信号入力 | 電流センサ | DC-CT | |
検出電流 | 最大1000A | 減衰比1500:1 / シャント抵抗:3Ω | |
電圧、電流信号 測定機能 | A/D 分解能 | 16bit | |
サンプリングレート | 最大1MS/s | ||
周波数帯域 | 300kHz | ||
帯域制限(LPF) | 400Hz/4kHz/40kHz/Full | ||
インピーダンス 測定部 | 測定モード | ・周波数スィープモード | 固定周波数 : 単一 / 2周波数 *3) |
・固定周波数測定モード | |||
・DC測定モード *2) | |||
周波数範囲 | 0.01Hz~10kHz | 19Hz未満はDCカップリング | |
19Hz以上はACカップリングで測定 | |||
周波数測定分解能 | 最大20ステップ / decade | ||
周期数 | 1 / 2 / 4 / 8 周期 | 1kHz以上は設定周期数のx10倍. | |
サンプリングレート | 測定周波数の x1000倍以上 | ||
測定確度 | 1% | 交流信号レベルが測定レンジの20%以上 で抵抗負荷 (位相差 =0)の場合 |
|
固定周波数測定間隔 | 1秒以内 | 1kHz固定, 1ch測定時 | |
交流重畳制御信号 | ±10V | 交流重畳用電子負荷装置制御 | |
一般仕様 | 周波数 | 47Hz~63Hz | |
定格電圧 / 消費電力 | 100/220VAC±10% / 260VA | 電圧範囲は工場出荷時固定 | |
動作範囲 | 5~40℃ | ||
その他 | 非常停止機能 | 無し | 必要な場合はお客様設備側で用意 |
*1 : システム全体の同相入力電圧は、交流重畳用電子負荷装置の仕様で制限される場合があります。
*2 : 「DC測定モード」は繰り返し測定した直流レベルをトレンドグラフに表示します。FCフルスタックの負荷電流やスタック電圧を確認するときにご活用頂けます。
*3 : 「固定周波数測定モード」には、単一周波数の測定以外に異なる2種類の周波数のインピーダンスを同時に測定する”2周波数”の昨日があります。
区分 | 項目 | 内容 | 備考 |
---|---|---|---|
ソフトウェア | 動作環境 | Windows10 64ビット | |
測定・制御機能 | インピーダンス演算、結果表示 | 保存データ : CSV形式 | |
ラインセンス管理 | USBキー |
※)特注にてAPI(アプリケーションプログラムインターフェース:要打ち合わせ)の準備が可能です。ただしユーザアプリケーションソフトウェアは、お客様で構築して頂く必要があります。
交流電流重畳用電子負荷 基本仕様
DC負荷電流用回生型直流電子負荷 基本仕様
カタログ
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記載されている仕様・形状等は、改良等により予告なしに変更されることがあります。最新の製品情報につきましては、当社までお問い合わせ頂けますようお願い致します。