【やさしい技術解説】交流電源装置の種類と特徴その1 – 交流電源装置の種類

交流電源装置とはその名の通り交流電力を供給する装置です。乱暴な言い方をすれば、一般家庭にあるコンセントと同じ機能を提供する装置です。

しかし一般家庭のコンセントと全く同じであれば、独立した装置として販売されている訳は有りません。様々な特徴や機能がありますが、これから複数回に分け、これら交流電源装置の種類とその機能や特徴について説明します。

一般に市販されている交流電源装置は先ず大別すると、発電部又は蓄電部と言ったエネルギー源を備えるタイプと、エネルギーは一般の商用電源より供給される事を前提とした変換器、あるいは安定器に分類されますが、ここでは変換器・安定器について取り上げます。

非安定化型電源

 トランスなどを使い、ある目的の電圧などに昇圧・降圧させるだけを目的とした装置です。
 入力の変動の影響がそのまま出力に現れますので出力が安定化されていない事から非安定化型と言われます。

 いわゆるスライダック(トランスの2次側が摺動接点になっていて連続的に、変圧比を変えられるトランス)などが代表格と言えます。

 構造が単純で半導体なども使用しないことから安価で、耐久性もありますが出力が安定しない上に出力波形も元の歪がそのまま出力に現れます。当然ながら周波数も変更できず、単なる電圧変換程度しか使用する事ができません。

 以上の様な制約からかなり限定的な用途に用いられます。

安定化型電源

 AVR(Automatic Voltage Regulator)とも略され、何らかの能動的な回路によりその出力を安定化する様になっています。回路方式には大きく

 ・リニア型
 ・スイッチング型

 と有りますが、それぞれ長所・短所があるためどちらか一方だけになる事はなく、並存しています。
 安定化され、波形品質も良く、周波数も変更できるため様々な用途に用いられています。

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