オシロスコープって、そもそもナニ?

はじめに

オシロスコープは、技術者ではない一般の方が使用することはまずありませんが、「オシロスコープのようなもの」を目にする機会はあるかも知れません。例えば、病院が舞台のドラマなどで見かける「心電図」です。この心電図を表示している機器は心電計と呼ばれるもので、ご存じのように心臓が鼓動を打つときの微弱な電気信号をキャッチして心臓の動きを「見える化」するものですね。

これに対してオシロスコープは心臓ではなく、様々な電気製品などの電子回路に流れている電気信号をキャッチしてその動作状態を波形として見える化し、故障などの原因を調べるときに使われています。電気信号を観測するという点では心電計と似ていますが、オシロスコープは観測波形の拡大縮小をはじめとして様々な機能が装備されており、故障解析を効率よく行うことができます。

オシロスコープの語源

 オシロスコープのスペルはOscilloscopeで、これは発振(オシレーション:Oscillation)と観測機(スコープ:Scope)を組み合わせた造語のようです。つまり、発振している信号を観測するためのものが「オシロスコープ」ということになります。

オシロスコープの方式

方式概要
アナログ     初期の頃の方式で、現在はほとんど使われていません。
デジタル現在販売されている機種の大半はこの方式で、D.S.O.(Digital Storage Oscilloscope)とも呼ばれ、観測した波形の様々なパラメータ(ピーク電圧や時間差など)を表示したり、USBメモリに波形を保存することができるなど多機能です。


オシロスコープの設定

 電気信号の波形をオシロスコープを使って観測するためには、様々な設定が必要で全ては紹介しきれないので、その一部をご紹介します。

設定項目概要
基準時間     波形表示の横軸の1division(1目盛り)の時間で、Time baseなどと呼ばれます。 一般的に、このつまみを右に回すと基準時間は短くなり、結果として波形は横方向に拡大して観測することができます。
基準電圧波形表示の縦軸の1division(1目盛り)の電圧で、Volt/div.などと呼ばれます。 一般的に、このつまみを右に回すと基準電圧は低くなり、結果として波形は縦方向に拡大して観測することができます。
トリガー信号波形を表示するとき、文字通り引き金(トリガー)となる信号を選択します。 この信号が入力されたタイミングを起点として波形が表示されます。このとき、トリガー信号の「立ち上がり」もしくは「立ち下がり」のどちらかを選択することができます。
波形更新モード   波形表示をどのようなタイミングで更新するか選択することができます。主なものは オート: トリガー入力の有無に関係なく現在の波形をリアルタイムで表示する ノーマル: トリガー信号が入力したときだけ波形表示を更新する シングル: 最初のトリガー信号入力時のみ(1回だけ)波形表示を更新する

オシロスコープの波形表示例(KEYSIGHT社製D.S.O.)

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