【やさしい技術解説】電子負荷の応用 – その1 パルス充電パターンを作る

リチウムイオン電池を初めとする2次電池は今やノートPCや種携電話など生活に密着したものに使用されなくてはならないものになってきています。さらには安全面の改善も進み電気自動車にも採用されようとしています。

昔からニッカド電池など2次電池は有ったのですが、これほどまでに普及したのは

 ・エネルギー密度の向上
 ・安全性の改善
 ・充電時間短縮による使い勝手の改善

などがあるのでは無いかと思います。

中でも充電時間の短縮には目を見張る物があります。個人的に昔ニッカド使った時家庭用充電器で数時間~十時間以上掛かった様な記憶があります。しかし最近では某社のリチウムイオン単三型4本を、僅か30分で充電が出来る家庭用充電器が登場するなど驚くべき短縮が図られています。

何故この様な短縮が可能になったのか興味があり調べてみたところ以下の様な事でした。

・従来の充電方法
 充電電圧が定格を超えない用監視しながら定電流で充電する。

・急速充電方法:
 短時間であれば充電電圧が定格電圧を超えても良しとして、大きなパルス電流で充電する方法。

結局充電量(エネルギー)は電流×時間で決まります。満充電にするためにはそれに必要な十分以上の電荷を加えれば良い事になりますが、従来の充電方法では定格電圧を超えない事を前提としているため内部抵抗などの影響もあり満充電に届く前にかなり充電電流は絞らざる追えません。

対して大きなパルス電流を使う方法は満充電に近づいても電流は絞らず電荷を与え得るため一気に充電されます。実際の充電器では

 パルスで充電 → 充電電圧のチェック → パルスで充電

と言うような事を繰り返すのが基本の様ですが、この辺各社特許があるようで技術の腕の見せ所となっているようです。

さて電子負荷を使用するとこのパルス充電電流が簡単に作り出せます。

電子負荷で作るパルス充電電流

特にこの場合便利なのは汎用の定電圧電源があれば事足りると言う点にあります。特殊な出力波形を実現できる電源は高価な場合が多く選択肢も少ないのが実情です。電子負荷装置を使用するとごく一般的な電源が利用出来ます。

また当社の電子負荷装置であれば任意の複雑な負荷パターンを自力で生成できるため、発信器が別途必要になる事もありません。

またこれなら高価な電子負荷装置を使用しなくても、発信器とFETで出来ると言う方もいらっしゃるとは思いますが個別に制御の掛かっていない単なるスイッチとして使用するFETと当社の個々に制御の掛かった電子負荷装置では、オーバーシュート、アンダーシュートの出方がまるで異なります。

これは弊社独自の技術による制御回路と部品実装方法に因る物で他社の電子負荷装置でもなかなか出せない高品質な電流波形が実現できます。お貸し出しもしていますので是非一度その目でお確かめください。

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