LISN(疑似電源回路網)って、そもそもナニ?
LISN(Line Impedance Stabilization Network)とは、雑音端子電圧を測定する際に、電源ラインのインピーダンスを一定にするための測定用回路です。
日本語では「電源インピーダンス安定化回路網」または AMN(Artificial Mains Network:疑似電源回路網)と呼ばれることもあります。
LISNの役割
被試験物(EUT)は、接続される電源環境によって見かけ上の電源インピーダンスが変化し、その結果、測定される雑音電圧にもばらつきが生じます。
LISNを電源ラインに挿入することで、
- 被試験物から見た電源インピーダンスを安定化
- 電源側から流入する外来ノイズを低減
- 雑音端子電圧を測定器へ安定して取り出す
といった効果が得られ、再現性の高い測定が可能になります。
規格試験におけるLISN
CISPRなどのEMC規格では、雑音端子電圧を規定された電源インピーダンス条件で測定することが求められています。
その条件を満たす手段として、LISN(または同等の特性を持つ回路)が用いられており、EMI評価や適合試験において、事実上欠かせない構成要素となっています。
電源選定のポイント
雑音端子電圧の測定では、電源自体のノイズが測定結果に影響しないことが重要です。そのため、測定用電源としては、ノイズの少ないリニア方式の交流電源が適しています。

