DNSって、そもそもナニ?

はじめに
みなさんは、スマホやパソコンでWebサイトを見るとき、アドレスバーに https://www.example.com のような文字を入力しますよね。あの「www.example.com」の部分を ドメイン名(ドメインネーム)と呼びます。
でも、コンピュータは実は「www.example.com」という文字列を直接理解できません。コンピュータ同士がインターネット上でやりとりするときは、IPアドレスという数字の住所(例:192.0.2.1 のような数字の羅列)を使っています。つまり、こういうことです。
| 人間が使うもの | コンピュータが使うもの |
| www.example.com | 192.0.2.1 |
| "渋谷スクランブル交差点" | 北緯35°39′32″ 東経139°42′3″ |
「渋谷スクランブル交差点」という名前のほうが覚えやすいですよね。ドメイン名もまったく同じ発想で生まれた仕組みです。
合わせて読みたい
ドメインの構造
ドメイン名は、右から左へ読むと構造がよくわかります。

- TLD(トップレベルドメイン):.com、.jp、.net など。国や用途を示す大分類。
- セカンドレベルドメイン:組織や企業の名前。example の部分。
- サブドメイン:サービスや用途ごとの細分類。www(ウェブ)、mail(メール)など。
ドメインは世界中で重複しないよう管理されており、取得するには登録事業者(レジストラ)を通じて申請・購入する仕組みになっています。
DNSとは?
DNS(Domain Name System) は、一言で言うと
「ドメイン名 ↔ IPアドレス」を変換してくれる、インターネットの電話帳
です。
あなたがブラウザに www.example.com と入力した瞬間、裏側ではものすごいスピードで次のようなことが行われています。
DNS の仕組みを「宅配便」で例えてみる
DNS の動作は、荷物の宛先を調べる作業に例えるとわかりやすいです。
ステップ① あなたのPCが「聞く」
ブラウザが「www.example.com のIPアドレス教えて!」と、近くにある フルサービスリゾルバ(キャッシュDNSサーバー)に問い合わせます。 フルサービスリゾルバは、プロバイダやルーターが用意してくれているDNS係のことです。
ステップ② 「知らないから上に聞く」を繰り返す
フルサービスリゾルバが答えを知らない場合、さらに上位のサーバーへ問い合わせます。

この一連の流れは、体感では 0.1秒以下で完了します。まさに神速です。
ステップ③ 結果をキャッシュしておく
同じ問い合わせが何度も来ると無駄なので、フルサービスリゾルバは一定時間(TTL:Time To Live)、答えを記憶(キャッシュ)しておきます。 TTLは管理者が設定でき、「5分」から「24時間」など様々です。
DNSに登録される情報「レコード」とは?
DNS サーバーには、ドメインに関するいろいろな情報がレコードという形で保存されています。代表的なものを紹介します。
| レコードの種類 | 役割 | 例 |
| A レコード | ドメイン → IPv4アドレス | example.com → 192.0.2.1 |
| AAAA レコード | ドメイン → IPv6アドレス | example.com → 2001:db8::1 |
| CNAME レコード | ドメインの別名(エイリアス) | www.example.com → example.com |
| MX レコード | メールの送り先サーバー | example.com のメールは mail.example.com へ |
| TXT レコード | テキスト情報(認証用途など) | SPFレコード、ドメイン所有確認など |
DNSが無いと困ることは・・・
DNS がなかったら、インターネットはどうなるでしょうか?
- ブラウザに www.example.com と打っても、どこにも繋がらない
- 毎回 192.0.2.1 のような数字を覚えて入力しなければならない
- サーバーのIPアドレスが変わるたびに、利用者全員に通知が必要になる
DNS のおかげで、管理者はIPアドレスを変えても DNS のレコードを更新するだけで済みます。利用者は何も気にしなくてOKです。
まとめ
| ポイント | 内容 |
| ドメイン名 | 人間が覚えやすいインターネット上の「名前」 |
| IPアドレス | コンピュータが通信に使う「数字の住所」 |
| DNS | 名前 ↔ 住所を変換する「インターネットの電話帳」 |
| フルサービスリゾルバ | 身近な「DNS の取次役」 |
| 権威DNSサーバー | ドメインの正式な情報を持つ「本家」 |
| TTL | キャッシュの有効期限 |
| DNSレコード | IPやメールなど、ドメインに紐づく各種情報 |
DNS は、インターネットを毎日使っていながら、ほとんど意識することのない縁の下の力持ちです。 しかし、Webサイトの公開・移転・メール設定など、あらゆる場面でこの仕組みが動いています。「なんとなく動いている」を「わかって動いている」に変えるだけで、トラブルへの対応や設定作業がグッと楽になりますよ。


