4端子測定(ケルビン接続)って、そもそもナニ?

はじめに
「ミリオーム(0.001Ω)を測りたいんです」
そう言われて、テスター(デジタルマルチメータ)を当ててみたら、値がフラフラ…。
「あれ?さっきと違う」「リード線を動かしたら数値が変わる…」そんな経験はありませんか?
実はそれ、測り方が間違っている可能性があります。
そこで登場するのが――
4端子測定(ケルビン接続)
です。
今回は、「そもそも4端子測定って何?」というところから、初心者向けにやさしく解説します。
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ふつうの測定(2端子接続)とは?
一般的なテスターで抵抗を測るときは、こんな感じですよね。

2本のリード線をつないで測る方法です。これを 2端子測定 といいます。
でも、ここに落とし穴があります。実は、測っているのは「被測定物」だけではありません。
こんなものも一緒に測っているのです。
- リード線の抵抗
- テストリードの接触抵抗
- ワニ口クリップの接触部分
- 基板の配線パターン
つまり、
表示されている値 = 被測定物 + リード線 + 接触抵抗
なのです。
たとえば…
もし測りたい抵抗が0.01Ω(10ミリオーム)だったとします。
でも、リード線の抵抗が0.05Ωあったら?
0.01Ω(本当) + 0.05Ω(余分) = 0.06Ω
なんと、6倍の値になってしまいます。
これでは正確な測定とは言えませんよね。
4端子測定(ケルビン接続)とは
4端子測定では、以下のように4本の線を使います。
電流を流すための線: プラス側とマイナス側(2本)
電圧を測るための線: プラス側とマイナス側(2本)
DUT(測定されるもの)に対してプラス側とマイナス側、各2本の接続が必要です。

どうして正確になるの?
ポイントはここです。
電圧測定側には、ほとんど電流が流れない
電圧計は内部抵抗が非常に高いため、電圧測定用の線にはほぼ電流が流れません。
ということは…
電圧測定線の抵抗 × ほぼ0A = ほぼ0V
つまり、電圧測定線の抵抗の影響が無視できるのです。
どういう原理?
流れはこうです:
- 電流用端子から一定の電流を流す
- 被測定物の両端の電圧だけを正確に測る
- オームの法則で抵抗を計算する
R = V / I
電圧は“純粋に被測定物だけの電圧”なので、 非常に正確な抵抗値が出せます。
例えるなら・・・
2端子測定は、
ホース+蛇口+水道管の全部を含めて水圧を測っている状態
4端子測定は、
水道管の「その部分だけ」にセンサーを直接当てて測っている状態
余計な部分をカットしているわけです。
どんなときに使うの?
4端子測定は、こんな場面で活躍します。
- シャント抵抗の測定
- 電源ラインのパターン抵抗測定
- バッテリー内部抵抗測定
- リレー接点抵抗測定
- 溶接部の抵抗確認
- 超低抵抗部品の品質検査
ミリオームやマイクロオームの世界では、 4端子測定はほぼ必須です。
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余談:ケルビンの由来は?
この方式を考案・普及させたウィリアム・トムソン(ケルビン卿) にちなんでいます。温度の「ケルビン(K)」と同じ人物です。
まとめ
| 測定方法 | 特徴 | 向いている用途 |
| 2端子測定 | 手軽だけど誤差が出やすい | 数Ω以上の測定 |
| 4端子測定(ケルビン接続) | 超高精度 | ミリオーム以下 |
一言でいうと…
「余計な抵抗を測らないための方法」
それが4端子測定(ケルビン接続)です。

