コンデンサのESRって、そもそもナニ?

コンデンサ

コンデンサ(キャパシタ)の特性

コンデンサの特性は「コンデンサってそもそもナニ?」でご説明した通り、「直流は通さず、交流のみ通す」ということが大きな特徴ですが、では、交流ならどんな交流でも通すのでしょうか?答えはNOで、同じ交流でも「周波数が低いと通しにくく、逆に周波数が高いほど良く通す」という特性を持っているのです。

ESR(等価直列抵抗)とは

コンデンサの電気回路記号は2枚の板(電極)を向い合せただけのシンプルなものですが、現実のコンデンサはもう少し複雑になっています。例えば、コンデンサのリード線はわずかながら抵抗成分を持っており、同様にリード線にはインダクタンス成分も含まれているからです。

ESR

このように現実世界の「実物」の特性に近づけた回路を「等価回路」と言います。

コンデンサの場合、等価回路には抵抗成分ESR (Equivalent Series Resistance) とインダクタンス成分ESL (Equivalent Series Inductance) が含まれている訳です。
※Inductanceの頭文字は”I”ですが、コイルの電磁誘導を発見したレンツ(Lenz)にちなんで”L”としていたためESIではなくESLとなっています。

ESRとESLは、それぞれ「等価直列抵抗」及び「等価直列インダクタンス」と呼ばれます。
※インダクタンスについては「コイル(インダクタ)ってそもそもナニ?」をご覧ください。

理想的なコンデンサとは?

ESRとESLはどちらもコンデンサにとっては「百害あって一利なし」と言ってもいいもので、一般的にESRとESLが少ないほど性能の良いコンデンサと言われています。なお、ESRとESLは使用する周波数によって値が変動しますので、特に高い周波数で使用するときは注意が必要です。

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ESRとESLの測定

超高速電子負荷を使ってESRとESLを動的に測定することが可能です。CPUボードなど高速に動作する回路に実装されているコンデンサは高速動作時のESRやESLが場合によっては誤動作の原因になりますので、LCRメータでスタティックに測定するよりも実動作時のESR/ESLを測定することは、より重要になってきました。

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