SQLって、そもそもナニ?

SQLとは?

「SQL(エスキューエル)」という言葉、どこかで耳にしたことはありませんか? プログラマーや ITエンジニアがよく使う言葉ですが、「自分には関係ない難しいもの」と感じている方も多いかもしれません。でも、実はそれほど難解なものではありません。まずは、SQLがどんなものかをざっくり理解していきましょう。

データベースとは「整理された引き出し」

SQLを理解するには、まず「データベース」を知る必要があります。データベースとは、大量のデータを整理して保存しておく仕組みのことです。たとえば、大きな図書館を想像してください。本(データ)が無秩序に積み上げられていたら、読みたい本を探すのは大変ですよね。でも、ジャンル別・著者別に棚(テーブル)が整理されていれば、すぐに目的の本を見つけられます。データベースとは、そういう「整理された情報の保管庫」です。

SQLは「データベースに話しかけるための言葉」

SQLとは、Structured Query Language(構造化照会言語) の略で、データベースに対して命令を出すための「専用の言語」です。「このデータを取り出して」「新しいデータを追加して」「このデータを更新して」「いらないデータを消して」 こういった指示を、データベースに伝えるための言葉がSQLです。プログラムが「作業手順を書く言葉」だとすれば、SQLは「データに対してお願いをする言葉」と言えます。

なぜSQLが重要なの?

私たちが日々使っているサービスの裏側には、ほぼ必ずデータベースがあります。

サービス例SQLが活躍する場面
ネットショッピング商品検索・注文履歴の表示
SNS投稿・フォロワー情報の管理
銀行・決済口座残高・取引履歴の更新
病院の電子カルテ患者情報・処方記録の管理
社内の顧客管理システム顧客データの登録・検索

SQLを使いこなすことで、大量のデータを素早く正確に扱えるようになるため、エンジニアはもちろん、データ分析や業務改善を担う非エンジニアの方にとっても、非常に価値あるスキルです。

主な製品例

SQLを使う相手となる「データベース管理システム(DBMS)」には、さまざまな製品があります。SQLの基本文法は共通していますが、製品ごとに少しずつ方言(独自機能)があります。

オープンソース(無料)の製品

  • MySQL(マイエスキューエル)
    世界で最も広く使われているデータベースのひとつ。WordPressやECサイトのバックエンドとして採用されることが多く、Web系の開発で非常に人気があります。初心者にも扱いやすいため、学習入門としても最適です。
  • PostgreSQL(ポストグレスキューエル)
    高機能・高信頼性で知られるオープンソースのデータベース。複雑な処理や大規模なシステムにも対応でき、エンジニアからの評価が非常に高いです。「無料なのに商用レベルの性能」として、スタートアップ企業にも多く採用されています。
  • SQLite(エスキューライト)
    スマートフォンのアプリや小規模なシステムに組み込まれることが多い、軽量なデータベースです。インストール不要でファイル1つで動作するため、学習や開発のテスト環境としても便利です。iOSやAndroidのアプリ内部でも使われています。

商用(有償)の製品

  • Oracle Database(オラクル データベース)
    大手企業・金融機関・官公庁など、ミッションクリティカルな現場で長年使われてきた商用DBの老舗。非常に高い信頼性と豊富な機能を持ちますが、ライセンス費用は高額です。
  • Microsoft SQL Server(マイクロソフト エスキューエル サーバ)
    Windowsやマイクロソフト製品との親和性が高く、社内業務システムや.NETアプリの開発現場でよく使われます。GUIで操作できる「SQL Server Management Studio(SSMS)」が直感的で、初心者にも比較的入門しやすいです。

プログラミング例(基本のSQL文)

SQLの命令は大きく4種類あり、まとめて CRUD(クラッド) と呼びます。

操作SQL命令意味
Create(作る)INSERTデータを追加する
Read(読む)SELECTデータを取り出す
Update(更新する)UPDATEデータを書き換える
Delete(消す)DELETEデータを削除する

ここでは、「社員テーブル(employeesテーブル)」を例に、基本的なSQL文を見ていきましょう。

① SELECT:データを取り出す(最もよく使う!)

*(アスタリスク)は「すべての列」を意味します。WHERE は条件の絞り込み、ORDER BY は並べ替えの指定です。

② INSERT:データを追加する

INTO の後にテーブル名、VALUES の後に追加したいデータを書きます。

③ UPDATE:データを更新する

WHERE を忘れると、テーブル内のすべてのデータが書き換わってしまいます!必ず条件を指定しましょう。

④ DELETE:データを削除する

DELETE も WHERE を付け忘れると、全行削除という大惨事になります。実行前に SELECT で確認する習慣をつけましょう。

⑤ JOIN:複数のテーブルを結合する(少し応用)

実際の現場では、データは複数のテーブルに分散して保存されています。JOIN を使うと、それらを結びつけて取り出すことができます。

JOIN は「表と表をつなぐ接着剤」のようなイメージです。

その他(知っておくと役立つこと)

SQLの読み方は「エスキューエル」?「シークェル」?

実は両方使われています。もともとは前身となる言語「SEQUEL」から「シークェル」と呼ばれていましたが、現在は公式には「エスキューエル」が正式な読み方です。ただし、現場によって「シークェル」と呼ぶエンジニアもいるので、どちらでも通じます。

SQLを学ぶのに役立つ無料ツール

ツール名特徴
SQLite Onlineブラウザ上でSQLをすぐ試せる。インストール不要
DB FiddleMySQL・PostgreSQL・SQLiteをオンラインで試験できる
pgAdminPostgreSQL向けの高機能GUIツール(無料)
DBeaver複数のDBに対応した汎用GUIツール(無料)

SQLとNoSQLの違いとは?

最近「NoSQL(ノーエスキューエル)」というデータベースも登場しています。MongoDBやRedisが代表例で、SNSのタイムラインや大規模ログ処理などに使われます。

SQL(リレーショナルDB)NoSQL
データ構造表形式(行・列)柔軟(JSON形式など)
向いている用途整合性が重要なシステム大量・非定型データの高速処理
代表製品MySQL、PostgreSQLMongoDB、Redis

「どちらが優れているか」ではなく、用途に応じて使い分けるのが現代のトレンドです。

まとめ

  • SQLとは、データベースを操作するための言語
  • 主な命令は SELECT・INSERT・UPDATE・DELETE の4つ(CRUD)
  • MySQL・PostgreSQL・Oracle など、さまざまな製品で使われている
  • Webサービスからスマホアプリまで、現代のITシステムにほぼ必須の技術

SQLは文法がシンプルで、英語に近い感覚で読めるため、プログラミング未経験者でも比較的取り組みやすい言語です。まずはブラウザ上で動くツールを使って、SELECT から気軽に試してみてください。「データが思い通りに取れた!」という体験が、SQLを好きになる第一歩になるはずです。