ファラデーの法則って、そもそもナニ?

はじめに
スマートフォンの充電、発電所、電子レンジ――私たちの生活は電気に囲まれています。でも、この電気はどうやって作られているか、考えたことはありますか?
実は、その秘密を解き明かしたのが、19世紀のイギリスの科学者マイケル・ファラデーです。彼が発見した「ファラデーの法則」は、現代文明を支える最も重要な物理法則の一つなのです。
ファラデーの大発見
きっかけは一本の実験
1831年、ファラデーは簡単な実験を行いました。コイル(導線をぐるぐる巻いたもの)の近くで磁石を動かしてみたのです。
すると、驚くべきことが起こりました。磁石を動かすと、コイルに電流が流れたのです!
これは当時の科学者たちにとって衝撃的な発見でした。それまで、電気と磁気は別々のものだと考えられていましたが、ファラデーは「磁石を動かすことで電気が生まれる」ことを証明したのです。
ファラデーの法則とは?
わかりやすく言うと
ファラデーの法則を一言でまとめると、こうなります。
「磁場が変化すると、導線に電圧(起電力)が発生する」
もう少し詳しく説明しましょう。
3つのポイント
- 磁場の変化が必要
- 磁石をじっと止めておいても、電気は発生しません
- 磁石を動かしたり、磁場の強さを変えたりする必要があります
- 変化が大きいほど、電圧も大きい
- 磁石を速く動かすほど、たくさんの電気が発生します
- 強い磁石を使うと、より大きな電圧が生まれます
- コイルの巻き数も影響する
- 導線を何回も巻いたコイルほど、大きな電圧が発生します
- 10回巻きより100回巻きの方が効果的です
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身近な例で理解しよう
自転車のライト
昔ながらの自転車のライト(ダイナモ)を思い浮かべてください。
タイヤと一緒に回る小さな発電機の中では、磁石がくるくる回っています。すると、周りのコイルに電流が発生し、ライトが点灯するのです。ペダルを速く漕ぐとライトが明るくなるのは、磁場の変化が速くなるからなんですね。
スマートフォンのワイヤレス充電
最近のスマホには、ケーブルをつながなくても充電できる機能がありますよね。
これもファラデーの法則を利用しています。充電台の中のコイルに電流を流して磁場を作り、その変化をスマホ側のコイルで電気に変換しているのです。
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発電所
火力発電所でも、原子力発電所でも、基本原理は同じです。
タービン(大きな羽根車のようなもの)を回して、巨大な磁石やコイルを回転させます。すると、ファラデーの法則によって電気が発生します。つまり、世界中の電気の大部分は、ファラデーの法則で作られているのです!
なぜこの法則は重要なのか?
電気文明の基礎
ファラデーの法則がなければ、私たちの現代生活は成り立ちません。
- 発電所で電気を作ること
- 変圧器で電圧を変えること
- モーターを動かすこと
- ワイヤレス充電すること
これらすべてが、この法則に基づいています。
エネルギーの変換
ファラデーの法則の本質は、「運動エネルギーを電気エネルギーに変換できる」ということです。
水力発電なら水の流れ、風力発電なら風の力――様々な運動を電気に変えられるのは、すべてファラデーの法則のおかげなのです。
ちょっと深掘り:逆もまた真なり
面白いことに、ファラデーの法則には「逆」もあります。
電気を流すと磁場が発生するのです(これは厳密にはアンペールの法則ですが)。この「電気→磁気」と「磁気→電気」の相互変換が、電磁気学の美しさであり、現代技術の核心です。
この逆の原理を使っているのがモーターです。電気を流して磁場を作り、その力で回転させるのです。
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まとめ
ファラデーの法則は、一見難しそうに聞こえますが、その本質はシンプルです。
「磁場を変化させれば、電気が生まれる」
この発見は、200年近く前になされたものですが、今でも私たちの生活を支え続けています。スマホを充電するとき、電気をつけるとき、ファラデーの偉大な発見を思い出してみてください。
科学の面白さは、こうした基本的な法則が、想像もつかないような応用につながることにあります。ファラデー自身も、自分の発見が21世紀のワイヤレス充電に使われるとは、夢にも思わなかったでしょう。
次回、磁石で遊ぶ機会があれば、コイルを近づけてみてください。もしかしたら、ファラデーが感じたあの感動を、あなたも体験できるかもしれませんよ。


