突入電流って、そもそもナニ?

突入電流の種類

かなりおおざっぱになりますが、様々な電気製品の電源スイッチをOFFの状態からONにしたとき、ONの直後に大きな電流が流れます。これをラッシュ電流と呼び、機器によって若干名称が異なります。モータが組み込まれた機器の場合はモータが回転を始めるときの電流であり始動電流(あるいは起動電流)、スイッチング電源が組み込まれた機器の場合は突入電流 (Inrush current)と呼びます。本稿では突入電流について解説させていただきます。

突入電流の原因

スイッチング電源で突入電流が発生する原因は、入力部のコンデンサに充電するための「充電電流」がその原因と言われています。スイッチング電源の入力部の回路は下図のように全波整流回路と平滑用コンデンサによって構成されています。電源OFFの状態では平滑用コンデンサは「空」の状態ですから、電源ONの直後にこの平滑用コンデンサを充電するため大きな充電電流が流れるという訳です。

実際の突入電流は下図の波形のようになっていますが、スイッチング電源の回路構成によっては二次突入電流が発生することもあります。

突入電流の影響

突入電流によって大きな電流が流れると、それに比例した電圧降下が発生します。このため機器の入力電圧が低下したり、ノイズの発生原因となり不具合や故障の原因となる可能性があります。このため、現在普及しているスイッチング電源の多くは以下のような突入電流防止回路が組み込まれています。

突入電流防止回路の主な方式備考
抵抗制限方式抵抗により突入電流を抑えるもので、主に小容量(低価格)の機種で採用されている
サーミスタ方式温度に反比例するサーミスタの温度特性を利用し、電源OFFの状態では温度低→高抵抗により突入電流を抑えるしくみ
サイリスタ方式抵抗とサイリスタを組み合わせたもので、電源投入後一定時間経過後にサイリスタで抵抗の両端をバイパスして抵抗の損失を無くするというしくみ

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