定電圧回路・定電流回路って、そもそもナニ?

定電圧回路

定電圧回路は普段から目にする機会は圧倒的に多く、その代表的なものはスマホのACアダプタと思います。ACアダプタは、その入力側をAC(交流)コンセントに差し込むと出力側(通常はUSBコネクタ)に直流電圧の5Vが出力されるものです。

もっと細かく言えば、OUTPUT DC5V, 2A のように実際に流すことができる電流値も表示されていると思います。つまり、このACアダプタは直流電圧5Vが出ており、電流は2Aまで流せることを保証しています。逆に言えば2Aを超えても保証できませんと言うことですね。これは「2A以下であれば出力電圧5Vを維持する(一定に保つ)」という意味であり、このことが定電圧電源と呼ばれる理由となっています。

ACアダプタ

定電流回路

定電流回路はACアダプタと違って実物を目にすることは少ないと思いますが、実は見えないところでいたるところに使われています。

例えばLEDを使った照明やライトなどで、LEDを点灯する回路に「定電流回路」が組み込まれているのです。照明と言えば、LEDが普及する前はエジソンが発明した「フィラメント電球」をはじめとして、「定電圧で点灯」するものが主流でした。電気店などで販売されている電球には必ず「100V」などと明記されており、これは定格電圧が100Vであることを意味しています。

これと同じようにLEDには「定格電流」があり、定格電流を超えて流すと場合によってはLEDを破損する恐れがあります。このため、設定された電流(LEDの定格電流)を安定して流してくれる「定電流回路」が必要になるというわけです。

LED電球

ここで「オームの法則」を思い出してみてください。

電圧(V) = 電流(A) × 抵抗(Ω)  (電流 = 電圧 ÷ 抵抗)

仮に電圧10Vの乾電池に50Ωの抵抗(電球)を接続すると、流れる電流は、10V ÷ 100Ω = 0.1A となりますね。では、抵抗が50Ωになったらどうでしょうか?

電流 = 10V ÷ 50Ω = 0.2A

流れる電流値は抵抗値が小さくなるほど大きくなります。(すなわちオームの法則)

このとき電圧値は10V一定の定電圧になっていますから、このままの回路でLEDを点灯することはできません。LEDを点灯するためには電流値が変動しない「定電流回路」が必要なのは前に書いた通りですが、具体的な定電流回路については割愛させていただきます。定電流回路はLEDの点灯回路だけでなく、近年ではバッテリーの充電回路など様々なケースで使われています。

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直流安定化電源

広く普及している直流安定化電源は、ほとんどの製品に「定電圧(CV)」と「定電流(CC)」のモード切替機能が付加されており、簡単に定電流回路を実現することができます。

つまり、定電圧モードで使用するときは出力電圧を設定し、定電流モードで使用するときは出力電流を設定する訳です。

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