負荷ケーブルインダクタンスの低減

パーソナルコンピュータなどに搭載されるDC/DCコンバータは近年のCPU 高速化にともなって低電圧・大電流化が進んでおり、同時に高速応答性も要求されています。このようなコンバータを評価するための電子負荷にも高速応答が要求されるのは言うまでもありません。ここでは高速応答の電子負荷を使って評価、測定を行うときに考慮しなければならないポイントをご紹介します。

解説

負荷ケーブルのインダクタンス

DC/DC コンバータの出力端と電子負荷装置の負荷入力端を接続するためのケーブルはインダクタンス成分を持っています。このインダクタンスはケーブルの長さに比例して大きくなりますが、高速応答の測定を行う場合には、これが大きな問題となります。電子負荷により負荷電流を急激に変化させるとインダクタンスに比例した 過渡的な電圧降下が発生し、コンバータの性能を正確に見ることが出来なくなるからです。電磁気学の公式

によると、インダクタンスと電流変化率(di / dt)に比例して電圧変化が大きくなることがわかります。

インダクタンスを低減するには(その1)

コンバータと電子負荷の接続に使用するケーブルを太く短くすればインダクタンスは小さくなりますが、これには物理的に直近に置けないなどの制限があると思われます。また、電子負荷内部にもインダクタンス成分を持っ ており、いくら外部のケーブルを短くしても問題が解消されないことがあります。弊社の高速電子負荷は、このようなことのないよう、内部インダクタンスが最小になるように設計されています。

インダクタンスを低減するには(その2)

もう一つの方法として、インダクタンスの低いケーブルを使用することがあげられます。弊社では低インダクタンスのケーブル(Low-Lケーブル)を用意しており、一般的なケーブルよりも低いインダクタンスとなっています。

インダクタンスを低減するには(その3)

次に効果的なのは評価対象のコンバータに合わせた専用のフィクスチャ(プリント基板)を作成することです。 プリント基板作成費用などのコストがかかりますが、インダクタンスによる影響を最小に抑えることができます。

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