LDC(車載DC/DCコンバータ)って、そもそもナニ?
LDCとは、車両に搭載されるDC/DCコンバータの一種で、14V程度の比較的低い電圧を出力する装置です。Low voltage DC/DC converterの略称で、主に高電圧バッテリーの電力を低電圧へ変換する役割を担っています。
電気自動車やハイブリッド車では、駆動用として数百ボルト級の高電圧バッテリーが搭載されていますが、車内の多くの電装品は従来の12V系(約14V)で動作しています。LDCはこの高電圧と低電圧の間をつなぎ、安定した低電圧電源を供給します。
LDCの役割
LDCは、ヘッドライト、ワイパー、オーディオ、ECUなどの車載電装品へ電力を供給するとともに、12V補機バッテリーの充電も行います。エンジン車でオルタネータが担っていた役割を、電動化車両ではLDCが担っていると考えると分かりやすいです。
HDCとの違い
車載DC/DCコンバータには、LDCのほかにHDC(高電圧DC/DCコンバータ)があります。HDCが300V以上の高電圧を出力するのに対し、LDCは車載電装品向けの低電圧を出力する点が大きな違いです。用途と電圧レベルに応じて使い分けられています。
評価・試験の重要性
LDCは車両の安定動作に直結する重要な電源装置であるため、出力電圧の安定性、過渡応答、効率、耐久性などの評価が欠かせません。車載用途では信頼性要求が高く、各種条件下での試験を通じた性能確認が重要となります。

