LXIって、そもそもナニ?

LXIとは?
LXI(LAN eXtensions for Instrumentation)は、計測器をLAN(イーサネット)経由で接続するための業界規格です。この規格は、計測機器をネットワークに簡単に接続・制御できるようにするために開発され、特に自動測定やリモート操作を効率的に行う場面で活躍します。
LXIの概要
- 設計目的
従来のGPIB(汎用インタフェースバス)に代わるものとして登場。
計測器や測定システムをLANを使ってシームレスに接続するための標準化。
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- 特徴
イーサネット技術を採用 | 利用するLAN技術は一般的なネットワークインフラに対応しており、既存のLANケーブルやスイッチがそのまま使えます。 |
柔軟で拡張性のあるシステム構築 | 多数の計測機器を簡単にネットワークで管理。 DHCPサーバーによるアドレスの自動設定や静的IPアドレスの設定も可能。機器の設定や管理がウェブブラウザから簡単に行えます。 |
高い互換性 | 標準ドライバーやソフトウェアライブラリー(例:IVIドライバ)を使用するので、異なるベンダーの機器間でも動作が統一されています。 |
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使用するメリット
コスト削減 | 高価な専用ケーブル(例:GPIBケーブル)が不要。 市販のLANケーブルやネットワーク装置を活用可能。 |
使いやすさ | 機器の接続が簡単で、ネットワークを通じたリモート制御が可能。 |
拡張性と高い通信速度 | 新しい機器を追加する際の手間が少ない。 高速通信が可能で、複数台の同期も実現。 |
IoTやソフトウェア統合との親和性 | IoT(モノのインターネット)環境でも柔軟に対応可能。 |
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LXIの規格
LXIには3つの分類(クラス)があり、それぞれの機能に応じた仕様が定められています。
クラスA | 最も高機能で、同期機能やトリガリング機能を含む。 |
クラスB | ネットワーク同期機能を備えるが、トリガリングには非対応。 |
クラスC | 基本的なLAN接続機能のみを備える。 |
これらのクラスは、具体的な計測用途やシステム要件に応じて選択可能です。
LXIがよく使用される分野
LXIは、主に次のような分野で使用されています。
- 研究開発: 複数の計測機器を統合管理する場面で使用。
- 工場オートメーション: 製品検査ラインなどでの自動テスト。
- フィールドテストやメンテナンス: 遠隔地からの計測器操作が必要な場面。
主なLXI対応機器
- オシロスコープ
- 電源装置や電子負荷装置
- 信号発生器
- スペクトラムアナライザー
- データ収録システム(DAQ)
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まとめ
LXIは、LANを活用することで従来のインターフェース(GP-IBなど)を代替し、柔軟性・拡張性・コスト効率に優れた計測システムを実現します。その結果、自動計測やリモート制御を容易にするだけでなく、ネットワーク技術の進化とともに、より高度な測定環境を提供します。
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製品情報
2017-12-11