アンテナって、そもそもナニ?

アンテナとは?

アンテナは、電波を「受信」したり「送信」したりするための装置です。テレビで電波を受け取ったり、スマホで電波を出したりするのに使われています。

主なアンテナの種類

ホイップアンテナよく見る棒状のアンテナです。 車やラジオ、ワイヤレスルーターなどでよく使われます。 シンプルな構造で、全方向(360度)から電波を受け取れます。
ダイポールアンテナ2本の棒を一直線につなげた形のアンテナ。(写真はV型ダイポールアンテナ) シンプルかつ基本的なアンテナで、多くのアンテナの元となっています。
八木・宇田アンテナ屋根の上のテレビのアンテナなど、「魚の骨」みたいな形のアンテナ。 特定の1方向からの電波を強く受けることができ、遠くからの電波を集めるのに向いています。地上デジタル放送(地デジ)のアンテナとして定番で、アマチュア無線でも広く使われています。
パラボラアンテナ衛星放送や衛星通信で使われる、おわん型(お皿型)のアンテナ。 反射した電波を一点に集めて、弱い電波も強く受信できます。
ループアンテナ円や四角の「輪」の形をしたアンテナで、AMラジオなどでよく使われます。 ノイズを受けにくいという特徴があります。

※現在の携帯電話(スマートフォン)は外部にアンテナらしきものがありませんが、プリント基板のパターンを利用するなど様々な工夫をしたアンテナが内蔵されています。

各種アンテナの特徴

アンテナ名外観指向性利得用途
ホイップアンテナ棒状全方向低い(2~3dB程度)ラジオ、車、WiFi
ダイポールアンテナ直線状前後低い(2~3dB程度)無線全般
八木・宇田アンテナ魚の骨似1方向高い(7~15dB以上)地デジ、アマチュア無線など
パラボラアンテナおわん型1点集中非常に高い(20dB以上)BS/CS放送、衛星通信
ループアンテナ輪っか型前後低い(1~3dB程度)AMラジオなど

利得とは

アンテナの利得(りとく)とは、簡単に言えば、アンテナが電波をどの程度効率的に特定の方向へ送信・受信できるかを示す指標です。これを分かりやすく説明するために、以下のポイントを押さえていきます。

利得のイメージ

アンテナの利得は、”アンテナの放射した電波のエネルギーが、どこに集中しているか”を表しており、拡声器を例にするとわかりやすいです。

  • 普通のスピーカー(≒全方向に電波を送るアンテナ):音が全方向に均等に広がる。
  • メガホン(≒高利得アンテナ):音を一方向に集中して届ける。

つまり、利得が高いアンテナは、「無駄な方向に電波を飛ばさず、必要な方向にだけ集中して飛ばせる」性能が高いアンテナということです。

注意点

利得が高いからといって常に良いわけではありません。

  • 利得が高いアンテナは、範囲が狭く特定の方向に集中するため、設定や向きが重要です。
  • 使用環境に応じて適切な利得のアンテナを選ぶ必要があります。

例えば、基地局では全方向の電波を受信する必要があるので「無指向性」であることが重要となります。

まとめ

  • 身近なテレビアンテナ(八木)やパラボラは利得高め!
  • ラジオや無線のホイップ・ループ・ダイポールは利得低め~中間。
  • 利得が高いほど遠くや特定方向に強いが、指向性が鋭くなり他の方向は弱くなります。

図や用途も合わせて、「どこまで・どの向きに強く電波を受けたいか?」で選ばれています。

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