デシベルって、そもそもナニ? 

意外と知らないデシベル(dB)について誰にでもわかりやすく解説

はじめに

 デシベルは、二つの量の比率を表すときに使われるもので、日常生活ではあまり使用することは無いかも知れませんが、様々なところで使われています。例えば、工事現場の騒音レベルは見かけた方も多いのではないでしょうか。今回はこのデシベル(以下dBと表記)について、とりあげてみたいと思います。

デシベルとは

 一般的に数値の変化量が極端に大きいときにdBが使われます。例えば、ある数値が1から100万まで変化すると仮定してみましょう。言うまでもありませんが、数値の桁数は以下のように1桁から7桁までの幅で変化することになりますので表記や扱いが煩雑になりそうです。仮にこの数値をXとすると

X = 1, 10, 100, 1000, 10000, 100000, 1000000

 このようなときにdBが威力を発揮します。dBは最小値の1とXの比率の対数式で計算します。

dB = log(X / 1)×10 ※logは常用対数

 数学が苦手だった方もご安心ください。かく言う私も苦手でしたので。元の数値(X)とdBの関係を表にすると次のようになります。1から100万までの変化が0から60までの変化になりました。

元の数値(X)dB
10
1010
10020
100030
1000040
10000050
100000060

 このように、dBの方が見た目もシンプルで扱いやすそうですね。具体的にdBで表記することのメリットは見た目だけでなく、数値の扱いが楽になるということもあります。例えば、元々10だった数値を100倍したとすると、言うまでもありませんが 10 × 100 = 1000 となります。

 これが dBの場合は 10dB + 20dB = 30dB となり、掛け算ではなく足し算でいけるのです。今回の例では、10と100などシンプルな数値ですが、複雑な数値の場合足し算の方が楽に(場合によっては暗算で)計算できますね。

 オーディオアンプなどの電子回路では信号のレベルが10倍や100倍になることもありますので、dBが使われています。(電圧1Vを基準としたとき、dBVと表記することもあります)また、アンプとは逆に信号が減衰する回路(アッテネータなど)では次のように表記します。

元の数値(X)dB
10
0.1-10
0.01-20
0.001-30
0.0001-40
0.00001-50
0.000001-60

 見ておわかりのように、符号がマイナスになっているだけであとは同じです。つまり、0.01倍の回路の出力に0.001倍の回路を通すと、0.01×0.001=0.00001となりますが、dBでは-20dB + -30dB = -50dBとなり、やはり足し算で容易に算出することができます。 この他にも、1mWの電力を基準とした電力比dBmなども広く使われています。