ジャンクション温度って、そもそもナニ?

電子部品の中には、「半導体」と呼ばれる材料でできた素子が使われています。
その内部には“接合部(ジャンクション)”と呼ばれる電気の通り道があり、ジャンクション温度とは、その接合部そのものの温度のことを指します。

この温度は、部品がどれだけ安定して動作できるか、どのくらい長く使えるかに大きく関わります。
つまり「中の一番大事なところが、どれくらい熱くなっているか」を示す指標です。

どこで見かける言葉?

部品の仕様書には「最大ジャンクション温度(Tj max)」と記載されています。
これは、「この温度を超えると性能が落ちたり、寿命が縮んだりする可能性があるので注意してください」という上限値です。

なぜ“接合部”の温度が重要なの?

半導体は、温度が高くなるほど動作が不安定になりやすい性質があります。
ジャンクション温度が上がりすぎると、次のようなことが起こります。

  • 特性や動作が変質し、出力が不安定になる
  • 劣化が進み、寿命が短くなる
  • 最悪の場合、部品が故障することもある

そのため、部品そのものの耐熱性だけでなく、放熱や冷却の設計もとても大切です。

温度はどうやって把握するの?

ジャンクション温度を直接測ることはできないため、

ジャンクション温度 = 周囲温度 + 消費電力 × 熱抵抗

といった計算や、ケース温度(部品外側)から推定して管理します。

設計や使用時のポイント

  • 部品に記載された最大ジャンクション温度を確認する
  • 放熱板・ファンなどの放熱設計を行う
  • ケース温度や周囲温度をモニタリングする
  • 高温環境で連続動作する条件では安全マージンを確保する

ジャンクション温度は目には見えませんが、電子機器が「長く・安定して」動作するためのとても重要な要素です。
特にパワー制御や負荷が大きい装置では、温度管理が信頼性を左右するポイントになります。

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