FETって、そもそもナニ?

はじめに

今回は「FET(Field Effect Transistor)」、日本語では「電界効果トランジスタ」と呼ばれる半導体についてお話しします。トランジスタというと、電子機器の心臓部に使われる重要な部品ですが、その中でもFETは特に興味深い特徴を持っています。では、その動作原理やトランジスタとの違い、最近のトレンドについてわかりやすくご紹介しましょう。

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FETの基本的な動作原理

FETは電圧を使って電流の流れを制御するデバイスです。基本的な構造は、ソース(Source)、ドレイン(Drain)、そしてゲート(Gate)という3つの端子からなります。

イメージしやすくするために、水道に例えると、ソースが水の出る蛇口、ドレインが水の流れ出る先、ゲートが蛇口のハンドルです。ゲートに電圧をかけることで、水(ここでは電流)の流れを調整するのと同じように、ソースからドレインへの電流を制御します。これがFETの基本的な動作です。

普通のトランジスタとの違い

「トランジスタって全部同じじゃないの?」と思う方もいるかもしれません。実際には、FETは「バイポーラトランジスタ」と呼ばれる他のタイプのトランジスタといくつかの点で異なります。

  1. 動作原理の違い
    一般的なトランジスタは電流で電流を制御しますが、FETは電圧で電流を制御します。つまり、FETの方が電流消費が少ないことが多く、省エネ性能に優れています。
  1. 高入力インピーダンス
    FETは入力インピーダンスが高いので、信号ソースに負荷をかけづらい特性があります。これにより、微小信号の増幅に適していますよ。
  1. ノイズ耐性
    FETは一般的にノイズに強いとされています。これも微小信号の取り扱いに有利な点ですね。

最近のトレンド

電子技術の進歩に伴い、FETも常に進化しています。最近のトレンドについていくつか紹介します。

  • GaN FET(ガリウムナイトライドFET)
    短絡耐性や高速スイッチング特性を持ち、次世代のパワーエレクトロニクスにおいて非常に注目されています。特に電力変換効率が重要な分野での使用が増えています。
  • SiC FET(シリコンカーバイドFET)
    高温環境や高電圧での使用に適しており、電気自動車や産業用機器での応用が期待されています。

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  • 低電力FET
    省エネ化が進む中、FETの低消費電力化の追求が続いています。これはIoTデバイスやバッテリー駆動のデバイスにとって非常に重要です。

おわりに

これで、FETについて少し身近に感じてもらえたでしょうか?まだまだ深い部分もたくさんありますが、基本を押さえることが第一歩です!興味があれば、さらに詳しく調べてみると新しい発見があるかもしれませんよ。