エッチングって、そもそもナニ?

はじめに
スマホもパソコンも、家電もロボットも。中を開けると必ず出てくるのが「プリント基板」。緑色の板に、金色や銀色の線が走っているアレです。でも、あの複雑な回路って、どうやって作ってるのか気になりませんか?
実は「エッチング」という工程が、めちゃくちゃ重要なんです。
そもそもエッチングとは?
エッチングとは、金属を「薬品で溶かして削る」技術のこと。プリント基板の世界では、不要な銅を溶かして、必要な回路だけを残すために使われます。
つまり、薄い銅の板の中から「必要な部分だけ残して、あとは溶かす」ことで、微細で美しい回路パターンができるんです。
プリント基板のエッチング工程をざっくり解説
初心者向けに、ざっくり流れを見てみましょう
1 | 銅箔付きの基板を準備 最初は、全面に銅が貼られた板(銅箔基板)を使います。 |
2 | 回路パターンを転写(露光) 感光性のフィルムを貼り、紫外線で「必要な回路パターン」だけを焼き付けます。 |
3 | 現像して不要な部分を露出 焼き付けた部分以外のフィルムを洗い流すと、不要な銅がむき出しになります。 |
4 | エッチング液で銅を溶かす むき出しの銅部分に薬品(エッチング液)をかけて、不要な銅を溶かします。 |
5 | 保護フィルムを除去して完成! 最後に残った保護フィルムを剥がせば、必要な銅だけが残った「回路」が完成! |
エッチング液って、どんなもの?
代表的なのは「塩化第二鉄(FeCl₃)」や「過硫酸アンモニウム」。どちらも銅を化学的に溶かす薬品で、家庭用の基板製作キットにも使われています。
ただし、取り扱いには注意!ゴム手袋・保護メガネ・換気は必須です。
化学反応って、ちょっと理科の実験みたいでワクワクしますよね。
なぜエッチングが重要なの?
- 精密な回路を作れる
- 自動化しやすく、大量生産に向いている
- 不要な銅を除去することで、ショート(誤作動)を防げる
つまり、エッチングがなければ、スマホもパソコンも動かない!
それくらい、基板製造の“心臓部”なんです。
ちょっとした豆知識
- エッチングは「彫刻」や「美術」の世界でも使われる技法
- プリント基板のエッチングは、ミクロン単位の精度が求められる
- 最近では「ドライエッチング(ガスで削る)」も研究されている
まとめ
エッチングって、ただ銅を溶かすだけじゃない。
必要な回路だけを残すことで、電子部品同士を「つなぐ」役割を果たしているんです。
次にスマホを使うとき、ちょっとだけ思い出してみてください。
その中には、エッチングで生まれた小さな道が、あなたの操作を支えているんです。
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2024-05-28