被写界深度って、そもそもナニ?

はじめに
被写界深度(ひしゃかいしんど)は、写真を撮影するときにピントが合って見える範囲のことで、これを理解することで「ボケ」をコントロールし、綺麗な写真を撮影することができます。ここでは、初心者でもわかりやすく説明させていただきます。
被写界深度の基本
- 絞り(F値):
- 絞りはレンズを通る光の量を調整する部分です。
- 低いF値(例: F1.8)は絞りが開いていて、光がたくさん入ります。この場合、被写界深度が浅くなり、被写体の前後がぼけやすくなります。
- 高いF値(例: F16)は絞りが閉まっていて、光が少ししか入りません。この場合、被写界深度が深くなり、被写体の前後がくっきり見えます。
- 焦点距離:
- レンズの焦点距離が長いほど、被写界深度が浅くなります。つまり、ズームレンズを使って遠くから撮ると被写体の前後がぼけやすいです。
- 被写体との距離:
- 被写体に近づくほど、被写界深度が浅くなります。つまり、被写体に接近して撮影すると被写体の前後がぼけやすいです。
「ボケ」を作る方法とは?
- 低いF値を選ぶ:
- カメラの設定でF値をできるだけ低く設定します。これにより、ぼけやすくなります。
- ズームレンズを使う:
- 焦点距離の長いズームレンズを使って撮影することで、被写体の前後をぼかすことができます。
- 被写体に近づく:
- 被写体に近づいて撮影します。
「ボケ」に適したF値とは?
被写体の前後をぼかしたい場合、F値を低めに設定するのがおすすめです。具体的には、F1.8からF4.0くらいの設定が一般的です。
F値の目安
- F1.8 – F2.8: とても浅い被写界深度で、背景が大きくぼけます。ポートレート撮影などに最適です。
- F4.0: ある程度背景をぼかしつつ、被写体全体をシャープに撮ることができます。少し余裕のある被写体撮影に向いています。
「ボケ」に適したカメラは?
カメラの選び方
- センサーサイズが大きいカメラ:
- フルサイズセンサーを搭載しているカメラは、より浅い被写界深度を得られるので、被写体の前後をぼかしやすいです。
- APS-Cやマイクロフォーサーズなどのセンサーも比較的ぼかしやすいです。
- ミラーレスや一眼レフカメラ:
- レンズを交換できるカメラは、被写体の前後をぼかしやすい明るいレンズを使うことができます。
レンズの選び方
- 明るい単焦点レンズ:
- F値が低め(例: F1.8やF1.4)の単焦点レンズは、ボケを効果的に作れます。
- 50mm、85mmといった焦点距離がポートレート撮影に向いています。
- ズームレンズ:
- ズームレンズでも、F2.8などの明るいものを選ぶと被写体の前後をぼかしやすいです。
おすすめのコンビネーション
- フルサイズカメラ + 50mm F1.8レンズ: 汎用性が高く、美しいボケが得られます。
- APS-Cカメラ + 35mm F1.8レンズ: 手軽に使えて、持ち運びにも便利です。
これらを活用することで、多様な撮影シーンで美しいボケを楽しむことができます。
まとめ
これらのポイントを意識することで、写真撮影の際に被写体の前後を美しくぼかした写真を撮ることができます。
使用するレンズによって最小のF値が違うので、手持ちのレンズの性能に合わせて設定してみてください。また、周囲の明るさに応じてシャッタースピードやISO感度も調整しましょう。