音楽のスケール(音階)の不思議

はじめに

「ドレミファソラシド」――誰でも一度は耳にしたことがある音の並び。音楽の世界において、この「音階(スケール)」は大切な役割を担っています。でも、音階ってそもそも何なのでしょう?なぜ音の並び方だけで曲の雰囲気が変わるのでしょうか?今回の記事では、初心者の方にも分かりやすく音階の不思議な世界を探ってみましょう。

音階とは?

音階とは、音を一定の法則に従って並べたものです。一番なじみ深いのが「ドレミファソラシド」と順番に上がっていく「長音階(メジャースケール)」です。

これは「この順番に音を並べると、心地よく音楽に聞こえるよ」という、いわば音楽の「ルール」の一つです。

音階と周波数の関係

音は「空気の振動」でできていて、振動の速さ(周波数)が変わると音の高さも変わります。ドの振動の速さを基準に、レやミはその何倍、何分の1、という風に決められています。

たとえば、「ラ」の音が440Hz(ヘルツ)だったとします。その「ラ」の1オクターブ上(より高いラ)は倍の880Hzになります。こうして音階の音は、次のように並んでいるのです。

音階名周波数(Hz)備考
C4ド4261.626 
D4レ4293.665 
E4ミ4329.628 
F4ファ4349.228 
G4ソ4391.995 
A4ラ4440.000 
B4シ4493.883 
:(中略) 
A5ラ5880.000A4(ラ4)から1オクターブ高い音

上記数字の4(または5)は、オクターブ番号と呼ばれるものでピアノで一番低いC(ド)がC0となっており、C4はC0から4オクターブ上ということになります。

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様々な音階

  • メジャースケール(長音階)
    明るく、元気な印象。「ドレミファソラシド」がこれに当たります。
  • マイナースケール(短音階)
    ちょっと悲しく、切ない印象。「ラシドレミファソラ」の並びが代表例です。

ほかにも、

  • ドリアンスケール
  • ペンタトニックスケール(五音音階:ロックや日本民謡にも多い!)
  • ブルーノートスケール(ジャズでよく使われる)

など、世界中にいろんなスケールがあります。それぞれ、文化や地域で独特の音使いがあるんですよ。

和音(コード)とは?

音階から複数の音を同時に鳴らすと、「和音(コード)」になります。例えば、「ド・ミ・ソ」を同時に鳴らすと「C(シー)」というコード。いくつかのコードを組み合わせてメロディに重ねることで、音楽に深みや広がりが生まれます。

なぜ短調は悲しく聞こえるの?

不思議ですよね。同じ「ドレミファソラシド」の7つの音なのに、並び方や間隔を少し変えただけで「明るく」なったり「悲しく」なったりします。

これは、音と音の間隔(音程)の違いによるもの。長音階(明るい感じ)は「全音・全音・半音・全音…」というパターンですが、短音階(悲しい感じ)は「全音・半音・全音…」と半音の差し込み方が変わります。この微妙な違いが、人の耳や感情に「悲しい」「切ない」印象を与えるのです。

まとめ

音階は、私たちが自然に感じる「気持ちよさ」や「雰囲気」、そして文化的な背景まで反映する音楽の基本ルール。周波数という理系の世界と、感情に寄り添う不思議な力をあわせ持っています。お気に入りの曲も、ちょっと視点を変えて「この曲はどんなスケール?どんな和音?」と耳をすませてみると、新しい発見があるかもしれませんよ。

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