自動計測プログラミング – 難易度とノウハウ

プログラミングの難易度とノウハウ

難易度

  • 難易度はプロジェクトの目的、使用する計測機器やインターフェースに応じて変わります。
  • 基本的な計測器制御(データ取得、コマンド送信)であれば、ノウハウを学習すれば比較的容易に実現可能です。一方で、複数機器の連携やリアルタイム処理、データ管理・分析機能を実装する場合は高いレベルのスキルが求められます。

ポイントとノウハウ

  • インターフェースの理解
    使用する接続方式(USB、GP-IB、LANなど)の仕様や通信プロトコルを理解することが重要です。
  • 計測機器のコマンドセット
    各計測機器に特有のコマンド(SCPIなど)を正確に把握する必要があります。
  • エラー処理
    通信エラーや計測器の応答遅れへの対応が重要。
  • リアルタイム性の考慮
    データストリームの遅延やデータロスを防止する工夫が必要です。

使用可能なプログラミング言語

言語特徴難易度
C高いパフォーマンスが必要な組み込み系システムに最適。ただし低レベルなので学習コストが高い。★★★★★
VisualC++C++をベースにGUIアプリケーションを開発可能。複雑なシステムの制御向け。★★★★☆
VisualC#.NET環境で動作。GUI構築が容易で、初学者から中級者に向いた選択肢。★★★☆☆
Visual Basic (VBA)オフィスアプリケーション(特にExcel)と組み合わせた簡易な自動計測に便利。★★☆☆☆
Python豊富なライブラリ(例: PyVISA、PySerial)で最も人気。学習コストが低く、柔軟性が高い。★☆☆☆☆

対応するインターフェース

インターフェース特徴
RS-232Cシリアル通信方式。歴史が古いが依然として多くの機器で利用可能。シンプルで扱いやすい。
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USB高速通信が可能で、ほぼ全ての最新計測機器に対応。ドライバのインストールが必要な場合もある。
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GP-IB主に高精度・高性能の測定器で使用される規格(IEEE-488)。複数機器を連結可能。
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LAN
(イーサネット)
ネットワーク上の測定機器を遠隔操作する場合に最適(例: SCPI over TCP/IP)。手軽でスケーラブル。

自動計測に最適なおすすめの開発環境とは

以下は、環境の選定時に考慮すべきポイントと推奨環境です。

ポイント

  • 計測器メーカーが提供する専用SDK/ドライバの利用が可能か確認。
  • 使用するインターフェースに対応したプログラミング環境を選択。
  • 開発者が使い慣れた言語やフレームワークがあれば、それをベースに構築するのが効率的。

おすすめ環境

Python + PyVISA/PySerial

理由簡単に始められ、計測器制御用ライブラリが充実。LANやGP-IBとの連携も容易。
適用環境小規模~中規模なプロジェクト、データ分析との統合が必要な場合。

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LabVIEW

理由NI社が提供する専用環境で、ドラッグ&ドロップによる直感的な制御プログラム作成が可能。
適用環境汎用的な測定機器を多用する場合で一品もの(メンテナンスの必要性が少ない)

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C# + .NET Framework

理由Windows環境で成熟した開発ツールを利用可能。GUI構築も簡単。
適用環境GUI組み込み型アプリケーションの開発に最適。

VBA(Visual Basic for Applications)

理由Excelと組み合わせた単純な計測システムに向いており、素早く簡易な自動計測システムを構築可能。
適用環境簡易的なシステムで予算や時間の制約が大きい場合。

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まとめ

ノウハウ習得インターフェースプロトコル(例: RS-232C、USB、LAN)、計測器のコマンドセット(例: SCPI)の勉強が鍵。
おすすめ言語Pythonが学習の容易さ、拡張性の観点から最も推奨される。小規模な制御はVBAでも可。
最適な環境Pythonでのフレキシブルなシステム構築、あるいはドラッグ&ドロップ式のLabVIEWを検討。
コスト/規模別選択簡易/低コスト: VBA、Python 中規模以上: Python、C#、LabVIEW

計測環境や要件に応じて最適な組み合わせを選定してください。

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