基礎講座「絶縁体について」

はじめに

新入社員の皆さん、入社おめでとうございます!今回は電気を扱うとき必ず必要になる知識「絶縁体」について初心者向けの基礎講座です。ぜひ参考にしてください。

絶縁体とは?

絶縁体とは、「電気をほとんど通さない物質」のことを指します。例えば、プラスチックやゴム、ガラスなどが代表的な絶縁体です。これらは電気的な安全性を確保するため、(感電から使用者を保護するため)電子機器や家庭のコード類など、私たちの身の回りで広く使われています。

どうして絶縁体は電気を通さないの?

物質が電気を通すかどうかは、原子の構造が関係しています。

  • 物質は「原子」という小さな粒でできています。
  • 原子の中には「電子」があり、この電子が動くことで電流が流れます。
  • 絶縁体の場合、「電子」が原子に強く引きつけられていて自由に動けないため、電気が流れません。

絶縁体の例

以下の物質は、日常的に見られる絶縁体です:

ゴム電線の被覆にも使われます
プラスチック家庭用電化製品に多く使用
ガラス電気が流れない特性を持つ
紙や木湿度が低い場合のみ絶縁性が高い

絶縁体の役割

感電を防ぐ
電線の周りをゴムやプラスチックで覆うことで、感電事故を防ぎます。

短絡(ショート)防止
電線同士が直接触れるのを防ぎます。

電子部品の保護
コンピューターやスマートフォンなどの電子回路を安全に動作させるため、絶縁体を使用しています。

※注意点
絶縁体は完璧ではありません。例えば、「絶縁体でも耐えられる電圧(=絶縁耐力)」を超える高電圧が加わると、電気を通してしまいます。この現象を絶縁破壊と呼びます。

身近な利用例

  • 電気コードの周りを覆うプラスチック
  • ヘアドライヤーや延長コードのゴム被膜
  • 家電製品の内部に使われるセラミックやガラス

絶縁体と他の物質の違い

導体電気を通しやすい物質(金属が代表例)
絶縁体電気を通しにくい物質(ゴムやプラスチックなど)
半導体ある条件下で電気を通したり通さなかったりする物質(シリコンなど)

まとめ

「絶縁体」は、電気をほとんど通さない特性を持つ物質で、「電気の流れを制御するための重要な材料」です。私たちが感電せず安全に電化製品を使えるのも、絶縁体のおかげです!

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