LED電子負荷って、そもそもナニ?

はじめに

最近、「LED電子負荷」という言葉を耳にしたけれど、一体それって何?という方も多いかもしれません。「LED」「負荷」と、個々の単語は聞き慣れているけれど、“電子負荷”ってどんなものなのか?そして、それがどうしてLEDと関係しているのか、わかりやすくご紹介します。

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LED電子負荷とは?

簡単に言うと、「LED電子負荷」はLED照明などに組み込まれている直流電源(LED用電源 / LEDドライバ)を試験するための負荷装置です。

普段使っているLED照明、家電や自動車などのLEDランプが、どんな条件でもしっかり点灯して性能を発揮できるかを試験する際に必要になります。特に、LEDは一般的な電球とは違う特性を持っているため、試験にもそれ専用の機器が求められるのです。

LED電子負荷が必要な理由

1. LEDには独特な電気的特性がある

普通の電源(たとえばスマートフォンの充電器など)では、電圧を一定に保つ“定電圧制御”が主流です。一方、LEDの電源は電流を一定に保つ“定電流制御”が一般的です。これには以下の理由があります。

  • LEDの明るさは流れる電流の量によって制御される。
  • 定電流制御を使って正確に電流を管理しないと、LEDが正しく点灯しない、あるいは寿命が大きく短くなることがある。

そのため、LEDの性能を試験するためには、LEDの特性に合わせて電流を模擬する装置が必要になるのです。

2. 調光技術や特異な負荷条件への対応

LED照明の中には、部屋の明るさに応じて光量を調節する「調光機能」が備わっているものがあります。この調光には「PWM(パルス幅変調)」という技術が使われています。

ですが、一般的な試験用機器では、こうした高速ON/OFFのパルスに対応できません。その結果、試験で誤った結果が出たり、そもそも試験が適切に行えない問題が発生します。

これを解決するのが、LED電子負荷。LEDの特性を再現する「LEDモード」を搭載しており、調光などの高度な負荷条件にも柔軟に対応可能です。

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LED電子負荷の導入効果とは

LED電子負荷を導入することで、以下のような恩恵が得られます。

定量的な試験が可能LED特有の特性を模擬できるため、設計段階での定量的な検証が行えます。これにより、不具合を早期に発見し、対応することができます。
開発効率の向上試験データが正確になるだけでなく、従来のテスト工程よりもスムーズ&スピーディーに試験が進むため、全体的な開発スピードを高めます。
コスト削減早い段階で問題を発見・修正できるため、後工程でのトラブルやその解決にかかる費用を大幅に削減できます。

どんな用途で使われるの?

LED電子負荷は、主に以下のような場面で活用されています。

LED照明の性能試験消費電力や光の出力を測定し、設計の最適化をサポート。
LEDドライバ(駆動回路)の検証長時間使用しても耐久性に優れた回路かどうかを評価。
環境ストレスの影響を調査高温や低温など、さまざまな環境条件下でのLED性能を試験。

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従来の試験装置との相違点

従来の一般的な電子負荷と異なり、LED電子負荷には以下の特長があります。

リアルなLED特性を再現実際のLEDと同じ挙動を模擬できる。
柔軟な試験設定が可能LEDモード(高速CV+CRモード)を活用することで、実使用に近い条件下でのテストが行える。
操作が簡単ユーザーフレンドリーなインターフェースが採用されており、初心者でもスムーズに試験が進められる。

まとめ

LED電子負荷は、LED照明やその駆動電源に特化した試験装置であり、今や新しい照明開発には欠かせないツールとなっています。LED市場の拡大に伴い、製品の品質向上や開発スピードの向上が求められる中、こうした装置の導入は開発現場の大きな助けになるでしょう。

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