半導体って、そもそもナニ?

はじめに
みなさん、「半導体」という言葉を聞いたことはありませんか?スマホ、コンピュータ、家電製品、そして最近話題のEV(電気自動車)まで、私たちの生活に欠かせないもので使われています。しかし、「名前は聞いたことあるけど、具体的に何なの?」という人も多いのではないでしょうか?今回は、半導体とは何か、そしてその基礎となるデバイスたち(ダイオード、トランジスタ、FETなど)について、初心者向けに分かりやすく説明していきます!
半導体とは?
まず、「半導体」という名称について考えてみましょう。「半」は「中間」、「導体」は「電気を通す物質」のことです。つまり、半導体とは「電気を中程度に流す物質」のことなんです。
電気を通しやすい「導体」(例:金や銅)、全く通さない「絶縁体」(例:ゴムやプラスチック)のちょうど中間の性質を持っているため、「半導体」と呼ばれます。この中間の性質を利用して、自由自在に電気の流れをコントロールすることができるのが、半導体のすごさです!
半導体の材料:シリコン
半導体として最もよく使われているのは「シリコン」という物質です。シリコンは自然界にたくさん存在している元素の1つで、砂や石の主要な成分でもあります。このシリコンに特定の不純物を加えると、電気の流れを調整することができるようになります。
たとえば
- 「N型半導体」:自由電子が多く、マイナスの電荷を運びやすい性質を持つ。
- 「P型半導体」:正孔(ホール)と呼ばれるプラスの電荷の空間が多い。
これらN型とP型を組み合わせたものが、多くの半導体デバイスの構造の基本です。
ダイオードとは?
最初に紹介するのはダイオードです。これを一言で言えば、「電気を一方向にしか流さない部品」です。
ダイオードの仕組み
ダイオードは、1つのN型半導体と1つのP型半導体を接合させて作られています。この接合部分を「PN接合」と呼びます。この構造によって、
- 順方向(電気を流したい方向)では電気が流れる。
- 逆方向(電気を流したくない方向)では電気をシャットアウトする。
たとえば、発光ダイオード(LED)もこのダイオードの一種です。電気が流れると光が出る仕組みは、身近な場所でもよく見かけます。
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トランジスタって、何?
次に紹介するのはトランジスタです。これも半導体を使ったパーツですが、もっと「応用範囲が広い部品」です!
トランジスタの役割
トランジスタは、
- スイッチとしての役割(オン/オフを切り替え)
- 増幅としての役割(小さい信号を大きくする)
ができます。譬えるなら、「水道の蛇口」のようなもの。わずかな操作で、大きな流れをコントロールできるのが特徴です。
NPN型とPNP型
トランジスタは中身の構造によって「NPN型」と「PNP型」に分けられます。ここでは、NPN型を例にしてみましょう。
- NPN型は、N型半導体 → P型半導体 → N型半導体の3層構造です。
- 真ん中の「P型部分」を制御することで、両端に流れる電流を自由に操作できます。
FET(電界効果トランジスタ)とは?
最後に紹介するのはFET(Field Effect Transistor:電界効果トランジスタ)です。トランジスタの一種ですが、その動作は少し違います。FETは「電圧」によって「電流の流れ」をコントロールする仕組みを持っています。
FETの構造
FETは3つの端子を持っています
- ソース(Source):電流の入り口
- ドレイン(Drain):電流の出口
- ゲート(Gate):操作ポイント
ソースとドレインを動かす水路のイメージをしてみましょう。この水路を閉じたり開いたりして、水(電流)の流れを調整するのがゲートの役割です。
MOSFET
FETの中には、特にMOSFET(モスフェット)というものがあります。これは「金属(M)-酸化膜(O)-半導体(S)」の構造からきています。MOSFETの特徴は、小さなエネルギーで動作できること。そして、コンピュータのチップ(CPUなど)の中では、このMOSFETが主役として大量に使われています!
まとめ
半導体は、電気をコントロールするための魔法のような材料です。そして、その半導体の性質を使っていろいろなデバイスが開発されました。
- ダイオードは「電気の一方通行」。
- トランジスタは「スイッチ」や「増幅」。
- FETは「電圧で電流を調整」。
これらが組み合わさることで、スマホやパソコン、テレビといった身の回りの電子機器が動いているのです。
また、電子負荷装置は「半導体を使った負荷装置」であり、負荷デバイスとしてパワーMOSFETなどが使われています。
次回、電子機器を見るときは、ぜひ「この中でダイオードやトランジスタがどう使われているのかな?」と考えてみると、少し違った視点で楽しめるかもしれませんよ!