RS-232Cって、そもそもナニ?

RS-232Cとは?
RS-232C(アールエスにーさんにーしー)は、シリアル通信を行うための規格の一つです。これは、コンピュータなどの機器同士がデータをやり取りする方法を定めたものです。
例えば、昔のパソコンとプリンタ、モデムなどを接続する際に使われていました。
通信のしくみ
RS-232Cでは1本の線で「1ビットずつ」データを送る仕組みです。これをシリアル通信と呼び、現在主流のUSBもその一種です。ただし、RS-232Cは1960年代から使われている歴史の長い規格で、今では主に産業用機器(工場の制御装置など)や医療機器で使われています。
RS-232Cの特徴
以下の点がRS-232Cの特徴です:
- 昔の機器で広く使われていた:1960年代に登場し、90年代まで広く普及していました。
- 現在も特定分野で利用:工場や医療分野など、安定性を重視する用途で今も使われています。
- 物理的な形状:使用するコネクタは「D-sub」と呼ばれる形式で、9ピン(D-sub9)や25ピン(D-sub25)の端子があります。
- 遅い通信速度:最大データ転送速度は20kbpsほどで、近年のUSBと比べると非常に遅い。
- 短い通信距離:最大15mまで通信可能(長距離伝送には弱い)。
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使用場面のイメージ
RS-232Cは、以下のような場合に使われていました。
- パソコンとモデムを接続
- プリンターやバーコードリーダーとのデータ通信
- FA(ファクトリーオートメーション)機器の制御
現在では、LAN(有線/無線)やUSBが普及し、これらの用途でRS-232Cが使われることは少なくなりました。ただし、工場など安定した通信が求められる特定用途では現役です。
最近のPCで使用したいとき
最近のパソコンにはRS-232Cコネクタが搭載されていないことがほとんどです。ソフトウエアのデバッグなどでRS-232Cを利用する必要がある場合は、以下の方法で接続します。
- RS-232C→USB変換アダプター
PCのUSBに挿入し、RS-232Cに変換してくれるコンバータ。 - PCIスロット用の拡張カード
デスクトップPCの内部スロットに挿すことでRS-232C端子を増設する。
まとめ
RS-232Cは、歴史ある通信規格であり、USBが普及する前に機器間の通信で使用されていたものです。通信速度や距離は限られていますが、信頼性が高く、特定の分野で今も使われています。
もしRS-232Cを使う必要がある場合でも、変換アダプタなどを利用すれば、最近のPCでも対応が可能です。
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