ダミーロードとダミーアンテナの違いとは? 

はじめに

ダミーロードとダミーアンテナはどちらも電子機器や無線通信機器の試験や調整のために使用されますが、その目的と機能に違いがあります。

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ダミーロードとは

役割ダミーロードは、電力を消費する負荷としての動作を持つもので、送信機やアンプの出力をテストするときに使用されます。特に、無線機から出力される高周波エネルギーを電気エネルギー(熱など)として消耗するために使われます。
特徴電波を外に放射しない設計で、ほぼ完全に電力を吸収します。高周波エネルギーを効率的に消散するために、特定のインピーダンス(一般的には50Ωまたは75Ω)に調整されています。
用途無線送信機や発振器の性能確認 不要な電波の放射を防ぐ 高周波回路の調整時に正しい負荷を提供する
具体例無線通信機器の送信テストや、アンプの出力特性を確認する場合に使用されます。

ダミーアンテナとは?

役割ダミーアンテナは、実際のアンテナの代わりとして動作するものです。無線通信システムのテストや調整中に、アンテナ部分を置き換えて使用されます。
特徴通常、実際のアンテナの特性や放射パターンを模擬することを目的として設計されています。これは、アンテナの動作や特性をシミュレートするためのものです。
用途無線デバイスやアンテナ回路の性能確認やテスト 実際の電波を外部に放射させることなく調整を行いたい場合
具体例特定の周波数帯でのアンテナ特性の模擬や、放射効率やインピーダンス特性の評価に使用されます。

主な違い

項目ダミーロードダミーアンテナ
目的負荷としての電力吸収アンテナの動作の模擬
使用対象送信機、アンプなどの負荷試験用アンテナシステムやその調整用
電波放射外部に電波を放射しない模擬のために多少の放射がある場合あり
設計特定のインピーダンスで電力吸収アンテナ特性を模擬するように設計される
用途例無線送信機や高周波アンプの性能確認無線受信機の性能確認

まとめ

要するに、ダミーロードは高周波エネルギーを消費する負荷装置として、ダミーアンテナはアンテナの代用品として動作を模擬し、使用されるという点で大きな違いがあります。それぞれの目的や用途に応じて使い分けられます。

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