CEマーキングって、そもそもナニ?

はじめに
CEマーキングは、欧州経済領域(EEA)において製品が販売される際に、その製品が関連するEUの指令や規格(例:安全性、健康、環境保護の要件など)を満たしていることを示すマークです。このマークは、製造者や輸入者が責任を持って宣言することで製品に付けられます。以下、わかりやすく説明します。
CEマーキングの目的
消費者の安全を守るため | 電化製品、安全機器、玩具などが危険なものではないことを確認。 |
市場統一の実現 | EU内で製品を自由に流通させるための共通基準を提供。 |
環境保護 | 環境への有害な影響を防ぐ。 |
つまり、CEマークは「この製品がEU内で使用・流通するのに適したもの」というお墨付きです。
CEマークを必要とする製品
以下のようなカテゴリの製品に対して、CEマーキングが求められます:
- 家電製品(電子レンジ、冷蔵庫など)
- 機械(工場設備、工作機械)
- 玩具(子ども向け商品)
- 医療機器(医療用ベッドや診断機器)
- 個人保護具(安全ヘルメット、マスク)
- 電気機器(携帯電話、オーディオ機器)
- 環境配慮関連商品(エコデザイン製品)
これらは「指令」によって規定されています。
CEマーキングが示す内容
1 | 製品がEUでの各種適合基準(指令や規則)に合致していること。 |
2 | 製品が健康や安全、環境に対する基準を満たしていること。 |
3 | 製造者が自己責任においてCEマーキングを行ったこと(製品自体や、添付書類に付けられる)。 |
CEマーキング取得の流れ
適用される指令や規則を確認 | 製品が遵守すべき基準を調べます(例:電気製品なら「低電圧指令」、玩具なら「玩具指令」など)。 |
リスクと基準に従った評価 | 試験を実施し、安全性の基準に合っているか確認します。 |
技術文書(技術ファイル)の作成 | 試験結果や製品仕様、使用手順を記録した書類を作成します。 |
適合宣言書(DoC)の作成 | 上記に基づいて、EU基準を満たしていることを自己宣言。 DoC:Declaration of Conformityの略 |
CEマークを製品に表示 | 必要事項を守り、CEマークを製品やパッケージに表示。 |
誰が責任を持つ?
- CEマークは、製造者(製造した会社)が責任を持って付けるものです。
- 輸入品の場合、輸入者または代理店が責任を持って基準を満たす必要があります。
違反するとどうなる?
もしCEマークが正しく取得されていなかったり、条件を満たしていない場合
販売禁止 | EU内でその製品を販売することができなくなります。 |
罰則 | 場合によっては罰金が科されることもあります。 |
CEマーキングの誤解
- CEマークは「品質保証」のマークではありません。
- 例えば、信頼性や高性能を保証するものではなく、最低限の安全基準を満たしているという意味です。
日本企業が気を付けるべきこと
日本の製品をヨーロッパへ輸出する場合、CEマーキングを取得しないと販売できません。そのため、製品設計段階からEU基準を意識し、前述の流れに従って対応する必要があります。
まとめ
CEマーキングは、製品がEUの安全・環境・健康などの基準を守っていることを示す「通行許可証」のようなものです。これを取得することで、ヨーロッパ市場での流通が可能になります。製品の設計、試験、書類の準備など、適切な対応を行うことが重要です。
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