タッチカレントって、そもそもナニ?

タッチカレントは、電気機器を使用するときに、人体に触れる可能性がある 非常に小さい電流 のことを指します。これは、機器の外側の金属部分や他の触れる部分から流れる電流で、通常は安全性を確保するために非常に低い値に抑えられています。
そもそも「タッチカレント」とは?
タッチカレントは、普段の生活でほとんど意識しないものですが、小型家電やコンピュータなどの電気機器の外側、特に金属部分やアースのない製品を触ったときに、とてもわずかなビリっとした感覚を覚えたことがある方もいるかもしれません。これが実はタッチカレントかも知れないのです。
タッチカレントが発生する原因
タッチカレントが発生する大きな理由は、家電製品の電気的部品での 漏れ電流 や 配線ミス などによります。具体的には・・
絶縁不良 | 家電内部の電気が外部に漏れてしまうこと。 |
フィルタ回路による漏れ電流 | ノイズを抑制するために機器内に使われるコンデンサ(フィルタ回路)が微小な電流を流すこと。 |
アース(接地)がない場合 | 万が一漏れ電流が発生しても、それを逃がす道がないと機器の外装部分に電流が溜まる可能性がある。 |
なぜ気を付ける必要があるの?
- 一般的にタッチカレントは微小な電流(μAレベル)なので、人が触れてもほとんど害がありません。しかし、タッチカレントが大きくなると感電事故につながる可能性があります。
- タッチカレントは安全性に関する重要な要素であり、特に医療機器では非常に低いレベル(数μA以下)に抑えることが義務づけられています。
- 体内にデバイスや金属器具が入る医療シチュエーションでは、微小な電流でも人体へ悪影響を及ぼすことがあります。
タッチカレントの安全基準
国際的な規格(例: IEC 60950やIEC 62368、医療機器向けのIEC 60601)では、タッチカレントの電流値に制限を設けています。その基準に合わせ、製品設計段階で問題がないかどうかをテストします。
日常生活での対策
- アース付きのコンセントや製品を使用する。
- 古い電化製品が漏電している可能性がある場合、プロにチェックしてもらう。
- 体感的に「ビリッ」と感じることが頻繁に起きる機器は、使用を中止して専門家に相談する。
まとめ
タッチカレントは設計や使い方次第では危険を伴うこともありますが、身近な機器でも注意を払うことで、安心・安全に使用することができます。
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2017-12-27