TRC-50F2はスイッチング電源のリップルノイズ測定をする際、特性インピーダンス50Ωの同軸ケーブルで測定信号を伝送し、これを50Ωで終端するためのものです。
一般的な終端抵抗器の内部は抵抗器のみとなっていますが、電源の測定では抵抗器の電力を超える可能性があるためTRC-50F2では抵抗器と直列にコンデンサを挿入し、直流分をカットするようになっています。


高周波終端抵抗器とは

高周波終端抵抗器は、特性インピーダンス50Ωの同軸ケーブルを使ったプローブと測定器を接続するときに使用します。同軸ケーブルを使って高周波(リップルノイズ)を伝送するとき受け側(測定器)で抵抗器により終端す ることが必要です。このときの抵抗値は同軸ケーブルの特性インピーダンスと同じ値にすることが必要ですが、電源測定の場合抵抗のみの終端では問題が起こります。当たり前ですが、電源の出力には直流電圧が出力されており、これが同軸ケーブルを介して終端抵抗器に接続されます。このとき、抵抗器に流れる電流と消費される電力は右の表のようになります。
オシロスコープの中には終端抵抗器を内蔵しているものもありますが、例えば50Vの電源出力を接続すると50Wもの電力を消費するため、終端抵抗器が加熱し、場合によっては焼けてしまいます。そこで、TRC-50F2の内部は抵抗器と直列にコンデンサが入っており直流分をカットし、高周波のみ抵抗器に流れるようになっているため、高い電圧を接続しても終端抵抗器が過熱することはありません。なお、当社のリップルメータ(RM-104)や電子負荷装置内蔵のリップルメータには TRC-50F2 相当の終端回路が内蔵されているため外部に終端は不要です。

電源の出力電圧電源の出力電圧電源の出力電圧
5V0.1A0.5W
10V0.2A2W
20V0.4A8W
50V1.0A50W

本体標準価格(税抜):¥20,000 / 価格表・オプション情報はこちらをクリック >>

2023年3月版
型名詳細標準価格(税抜)
TRC-50F250Ω フィールドスルー型
¥20,000

※ RM-104本体に同等の回路を内蔵しております。

  • 特性インピーダンス50 Ωの同軸ケーブル用
  • 高周波信号を50 Ωとコンデンサで終端
  • 直流分をカットした高 周波終端
  • オシロなどのリップルノイズ測定に最適

TRC-50F2外観図PDF
型名TRC-50F2
最大入力電圧(*)±500V DC
周波数帯域1MHz~100MHz
インピーダンス50Ω(高周波終端)
連続許容電力0.25W
コネクタBNC
外形寸法17Φ×54(L) mm

* DP-100Aと接続して使用する場合は、±200V(DCまたはACp-p)

ダイジェストカタログ
記載されている仕様・形状等は、改良等により予告なしに変更されることがあります。最新の製品情報につきましては、当社までお問い合わせ頂けますようお願い致します。