リモートセンシングって、そもそもナニ?

リモートセンシングが必要な機器は?

今回は以下の機器に搭載されているリモートセンシング機能についてご説明します。

 ・直流安定化電源

 ※この他にも直流電子負荷や交流電源などに搭載されています。

オームの法則と電圧降下について

オームの法則はどこかで聞いたことがあるかも知れませんが、「電圧降下」はいかがでしょうか?実はこのふたつ、密接に関係しているので、最初にオームの法則についておさらいしておきましょう。

オームの法則       電圧(V) = 抵抗(Ω) × 電流(A)

ではこのように接続されたとき、乾電池の電圧は何Vでしょうか?

乾電池の電圧は決まっているでしょ?と言われるかも知れませんが・・

電圧 = 抵抗 × 電流 = 2Ω × 0.6A = 1.2V

あれ?1.5Vではありませんね。おそらく新品の電池ではなく、だいぶ使って容量が減ったものだったのでしょう。本題からそれましたが、ここでは「電圧は電流と抵抗値に比例する」ということを覚えておいてください。

 次に直流電源を使って同じようなことを確認してみましょう。ここで、RaとRbは直流電源から被試験物に接続しているケーブル(線材)の抵抗値とお考えください。ゼロΩが理想ですが、実際にはわずかながら抵抗があり、ここではRa = Rb = 0.01Ωと仮定します。

直流電源を10Vに設定し、電流が10A流れているとき被試験物には何Vの電圧が印加されているでしょうか? 「10Vに設定してるんだから10Vでしょ」と思われるかも知れませんが、実際は10Vよりも若干低くなります。この「若干」が電圧降下分ということですが、ここでオームの法則が登場します。

Raによる降下電圧 = 0.01Ω × 10A = 0.1V
Rbによる降下電圧 = 0.01Ω × 10A = 0.1V

 従って、被試験物への印加電圧を Vx とすると

Vx = 10V – 0.1V – 0.1V = 9.8V

オームの法則により電圧降下は流れる電流に比例して大きくなります。仮に100A流したとすると降下電圧も10倍の2Vとなりますので、10Vに設定しても実際に印加される電圧は8Vまで落ちることになります。これでは無視できませんね。例えば電圧降下してちょうど設定電圧になるように、あらかじめ設定電圧を高めにしておく方法もありますが、電圧降下は電流によって変わりますので、毎回設定電圧を補正するのは面倒ですね。これを自動で補正するのがリモートセンシング機能という訳です。

 

リモートセンシングの方法

リモートセンシングのために「やること」は、直流電源のリモートセンシング入力(図ではRSin)を被試験物の電圧入力端子に接続するだけです。これにより被試験物に印加される電圧が設定電圧ピッタリになるように実際の出力電圧を持ち上げるように動作します。

ここで素朴な疑問を持たれるかも知れません。「リモートセンシングを接続する線材の電圧降下はないのか?」ということですが、リモートセンシングは電圧を測定するだけで電流はほぼ流れませんので、電圧降下は無視できます。

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